井岡vs八重樫 統一戦WBCミニマム級チャンピオンの井岡一翔(23)=井岡=と、WBA同級王者の八重樫東(29)=大橋=による、日本人同士で初の両団体の王座統一戦12回戦(20日、大阪市・ボディメーカーコロシアム)は、井岡が3-0で判定勝ち。日本選手で初めて両団体の統一王者となった。
左ジャブで間合いを取り、的確なパンチを繰り出す井岡。対する八重樫は、1ラウンドからまぶたを腫らし、徐々に視界が狭まりながらも、負けじとパンチを返す。
井岡が「4ラウンド終了時は勝ったと思った」という採点も、ジャッジ3人ともに同ポイント。その後は「後半勝負でいこうと思った」という通り、さらに手数を出してクリーンヒットを連発。しかし八重樫も最終ラウンドまで引かず、ほとんどクリンチに逃げることのない打ち合いが展開された。最後の判定は3-0だったが、ポイントのものは僅差の戦いだった。
これで日本人王者は7人となったが、これまで日本人同士の統一戦は、どちらかが勝てば必然的に王者が1人いなくなるため回避されてきた。もちろん、ジムと系列テレビ局の関係や試合会場など、商業的要素も大きな影響を及ぼしている。
しかし王者が複数いても、現在ボクシングの人気が高いとはお世辞にも言い難い。今回の統一戦が実現したのは、日本プロボクシング協会の会長も務める、八重樫所属の大橋秀行会長の決断もあった。
2つの団体に2人の王者がいれば、一番強いのはどちらかを決めるのは格闘技では必然ともいえる。同会長は「それぞれが存在感を見せなければ。統一戦は時代の流れ」と話す。
井岡は10日以内にどちらのタイトルを防衛するかを選択する。ただし、あくまで目標は“4階級制覇”においているため、いずれも手放すことになりそうだ。
敗れたとはいえ、最後までパンチを打ち続けた八重樫も階級を上げるとみられている。「また一から出直したい」としており、階級を上げての再戦の可能性もある。
とても熱い、いい試合だった。
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